二人組合について

今回は二人組合について考えます。

二人組合(ににんくみあい)という組織形態は、CVCに取り組んでいらっしゃる日系事業会社の皆様の間でよく聞くようになりましたが、欧米ではあまり聞いたことがありません。欧米の事業会社がCVCに取り組む場合は、自社グループ内にCVCチームを立ち上げ、内部人材の異動に加え、必要に応じて外部から投資経験者を採用するのが一般的です。おそらく欧米では日本以上に人材の流動化が進んでおり、専門性のある人材を必要な時に雇用するというのが広く一般的に行われるからでしょう。日本の事業会社が新たにCVCを始めようとしても、社内には経験者はおらず、外部からの採用もなかなかうまくいかないのかも知れません。昔よりも転職が増えているとはいえ、簡単には適任者が見つからないという話も聞きます。内部人材の異動にせよ社外からの採用にせよ、適任者を見つけられる場合はCVCを自前で設立して運営する方向に話が進むと思うのですが、それが難しい場合には、CVC運営を外部に委託した方がいいという判断かも知れません。実際、CVCの推進に向けて二人組合に取り組むというのは十分に現実的な手段だと考えます。

二人組合に取り組む際に気をつけたいのは、「二人組合はCVCの目的を達成するための手段」ではありますが、「二人組合をつくること自体がCVCの目的ではない」ということです。二人組合の運営はGPであるVCに一任されますが、GPとしては、ファンド資金の大半を出資するLPの意向を無視するわけにはいかず、「LPが期待すること」にできるだけ寄り添って行動しようとするものです。このとき、LPが二人組合に期待していることをきちんと伝えることができれば、GPも動きやすくなるものでしょう。しかし、そうでない場合にはGPはどこを目指して動いたらいいでしょうか。日々のコミュニケーションの中で、LPが自身の期待をどのくらい具体的に伝えることができるか、これが二人組合の成否に影響してくるものと考えます。

筆者は、VCやCVC業界で働く前に、情報システム関連のコンサルティング会社で勤務した時代があって、大規模情報システムの開発プロジェクトをいろいろ見てきました。成功するプロジェクトもあれば、失敗するプロジェクトもあります。失敗するプロジェクトを分析すると、だいたいお決まりごとのように「要求仕様が固まっていなかった」「要求仕様の変更が繰り返された」というような話が聞こえてきます。開発を委託する会社が、受託する業者に対してプロジェクトの開発を「丸投げ」し、「要求仕様」の取り決めまで受託業者に任せ、その結果出てきたアウトプットを見て「こんなものを期待していたのではない」などと言って要求仕様をひっくり返す、ざっくり言えばそんな話でした。仕事を外部に委託する場合には、「丸投げ」せず、委託者として何をしたいかをしっかり考えて伝えること。どのような業界においても、仕事を外部に委託する場合の鉄則ではないでしょうか。

では、LPは「自身がしたいこと」をどのように決めて、どのようにGPに伝えればいいでしょうか。これがスムーズにできている会社様は成功が見えているかも知れませんね。逆に、簡単にはいかない場合もあるでしょう。弊社ビズファクトリーではそんな皆様のCVC運営のご相談に応じます。