では実際にCVCは投資リターンを上げられるか

CVCが投資リターンを目指す場合、実際に投資リターンを得られるものでしょうか。

まず、CVCではなくVCについて見てみましょう。VCの中には、投資で儲けているVCもありますが、そうでないVCも少なからずありそうです。日本市場のケースですが、日経新聞の記事「国内VCのIPO回収額、投資額の8割どまり 24年日経調査」によると、日本のVC業界全体の回収額は投資額よりも低い水準にとどまるとのこと。投資してから回収されるまで数年単位の時間がかかるものなので、投資と回収の時期の間に「ずれ」が生じます。この時期のずれを仮に5年として、2019年の投資額と2024年の回収額を比較すると、投資を回収が若干上回るようには見えますが、それでも、同記事にあるように大きく儲けたVCがいる中で「全体としては若干上回る程度の儲けにとどまる」わけですから、儲けていないファンドが少なからず存在することを示唆します。

国内ベンチャーキャピタルのIPO回収額、投資額の8割どまり 24年日経調査 - 日本経済新聞
国内のベンチャーキャピタル(VC)の投資回収が滞っている。2024年にVCが新規株式公開(IPO)を通じて回収した金額は年間投資額の8割にとどまった。IPO市況の回復が遅れているためだ。厳しい環境下でもタイミーなどの大型案件に投資してリター...

投資のプロのVCでも、儲かることも儲からないこともあるようです。そうした状況の中、CVCが投資リターンを狙う場合、果たして首尾よくそれを実現できるものでしょうか。日系事業会社のCVCは、本社から出向される方々を中心にチーム編成されるのが一般的なようですが、スタートアップ投資の経験もなくCVCに配属になった方々は、どうしたら投資リターンを目指して活動していけるでしょうか。

日本には「VCライクなCVC」として振舞うCVCも見受けられます。例えば、商社系CVCは「ほぼVC」として活動をしているように見えます。そうした方々がどのように取り組んでいるかは大変興味深いところですが、これを自社に当てはめるにはどうしたいいでしょうか。自社の状況、特に人事や雇用の各種制度、意思決定などの仕組みなどを踏まえた上で、どうしたら自社に「儲ける仕組み」を実現できるでしょうか。どこかのVCに二人組合の運営を委託すれば済む話でしょうか。二人組合は投資のプロであるVCが、GPとしてファンド運営の責任を負いますが、そのGPの判断は、資金の大半を拠出するLPの意向に少なからず影響を受けますので、LPの振る舞いがとても大事になるものと考えられます。
まずは、投資リターンを求めるべきかどうかを決める必要がありますが、投資リターンを求める場合、どのようにしたらそれが実現できるか、きちんと考えて行動するべきところでしょう。

弊社ビズファクトリーでは、皆様のそうした課題の解決に共に取り組んで参ります。